亜鉛めっき溶接金網
フェンス、飼育囲い、間仕切り、機器カバー向けの亜鉛めっき溶接金網。ロールかシートかを選ぶ前に、空間目と芯々目、線径の測定基準、めっきの順序を明確にし、同じ仕様で見積を比較しましょう。

呼び名だけでなく測定できる仕様を
亜鉛めっき溶接金網は単一寸法の製品ではありません。縦横の空間目または芯々目、仕上がり線径、幅・長さ、数量、納入先をお知らせください。GBW/GAW、亜鉛被覆の要求と受入基準を添え、供給可否を見積時に確認します。
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単価の前に網の仕様をそろえる
同じ「目合い」でも、空間目か芯々目かで開口が変わります。めっき工程と納入形状をそろえ、計算例と受入記録で比較条件を明確にします。
ロール、シート、切断品の選び方
運搬、加工、最終組立から形状を選びます。ロールだから柔軟、平板だから一定荷重に耐えるとは限りません。線径、間隔、支持条件の確認が必要です。
1.連続した囲いと現場切断にはロール
- 見積依頼に記載
- 幅・長さ、縦横の目開き、線径、めっき順序、施工延長を記載。巻重量や荷役設備の制限もお伝えください。
- 発注前に合意
- 巻き方、梱包、切断端、加工前の平坦化の要否を確認。フレームや支柱は別途確認します。
2.枠組みや繰り返し部品にはシート
- 見積依頼に記載
- 幅・長さ、網目の向き、目開き、線径、端部仕様を記載。網目位置や取付位置が重要な場合は図面を添付します。
- 発注前に合意
- 平坦度、直角度、寸法公差、端部の切りそろえ・線の突出を合意。保護カバーや手すりは用途別に全体設計を確認します。
3.後加工を前提とした切断品
- 見積依頼に記載
- 仕上がり寸法、数量、端部、曲げ・枠・取付点の図面を提出。切断・溶接が最終めっきの前か後かを明記します。
- 発注前に合意
- 加工順序と後加工で影響を受ける箇所の処理を合意し、納入範囲と納入後作業を分けます。
受入時の異常は、まず記録を残す
注文と合意済みの抜取計画に照らして記録します。外観だけでは原因、責任、受入可否は判断できません。
| 確認された状態 | 記録する証拠 | 次の確認 |
|---|---|---|
| 白色・灰色の粉状付着 | 該当部と周囲の写真、巻・束の識別、湿気、梱包、保管状態を記録。 | 新しい亜鉛面に水分が滞留し通気が悪いと、湿潤保管による白さびが発生する場合があります。保管履歴と被覆状態を合意基準で確認し、色だけで判定しません。 |
| 赤いさび跡 | 溶接点、切断端、直線部のどこか、範囲と位置を記録。ロットと納入写真を保管。 | 表面、めっき記録、荷扱い履歴の確認を依頼。原因や処置を決める前に追加検査を合意します。 |
| 溶接点の外れ・緩み | 交点を表示し、周囲を撮影。抜取面積、個数、見える荷扱い損傷を記録。 | 合意した溶接・抜取条件と比較し、指定の試験記録を確認。外観から荷重性能を判断しません。 |
| 寸法・平坦度の相違 | 測定器、支持状態、測定方向、目開き・線径・外形寸法を記録。 | 空間目と芯々目、素線径と仕上がり径を区別してから、図面、公差、測定方法と比較します。平坦度条件も含めます。 |
先めっき・後めっきと、溶融・電気めっきは別の条件
GBW/GAWは溶接との前後関係、溶融亜鉛めっき・電気亜鉛めっきは被覆方法を表します。「亜鉛めっき」の一語では両方を特定できません。
| 工程順序 | 選定時の意味 | 確認する条件 |
|---|---|---|
| GBW:めっき後に溶接 | あらかじめ亜鉛被覆した線を交点で溶接します。熱で周辺被覆が影響を受ける可能性があるため、直線部と溶接部の両方を確認します。 | 線のめっき方法、被覆の等級または付着量、溶接部の評価方法、後処理が見積に含まれるかを確認。 |
| GAW:溶接後にめっき | 網を溶接してから亜鉛めっきを施します。溶融工程では、溶接済みの網が亜鉛浴を通ります。 | 被覆方法、受入検査、仕上がり寸法を指定。交点と開口を確認し、GAWだけから厚さや寿命を推定しません。 |
空間目・芯々目・開口率を計算で確認
亜鉛めっき溶接金網の見積を読むための仮定寸法であり、在庫規格ではありません。計算内の単位と線径基準を統一します。
- 1. 線のすき間と中心間距離を区別
- 空間目は線表面間のすき間、芯々目は中心間距離です。理想形状では芯々目 = 空間目 + 線径。縦横それぞれと、亜鉛を含む線径かを指定します。
- 2. 25.4 mmが芯々目の場合
- 正方形の芯々目25.4 mm、仕上がり線径2.0 mmなら、空間目 = 25.4 - 2.0 = 23.4 mm。空間目25.4 mmの指定より小さな開口です。
- 3. 25.4 mmが空間目の場合
- 同じ仕上がり線径2.0 mmなら、芯々目 = 25.4 + 2.0 = 27.4 mm。「1インチ目」だけでは異なる網を指す可能性があります。
- 4. 理論開口率を同じ基準で比較
- 理想的な正方形網の開口率 (%) = (空間目 / 芯々目)^2 × 100。前例は (23.4 / 25.4)^2 × 100 = 84.9%、後例は (25.4 / 27.4)^2 × 100 = 85.9%で、小数1桁に丸めています。溶接部の盛り上がり、局部的な被覆差、端部や枠は計算に含みません。
- 5. 見積数量を同じ面積へ換算
- 面積 (m²) = 幅 (m) × 長さ (m)に枚数・巻数を乗じます。m²単価 = 見積金額 / 対応面積。仕様と梱包・輸送範囲を統一し、質量と面積の関係が未確認ならkg単価を直接比較しません。
見本承認と受入検査を同じ資料でつなぐ
出荷前に見本条件と受入基準を合意し、承認図、抜取計画、検査記録を一緒に保管します。
目開きと線径を分けて測定
縦横の空間目・芯々目、素線径・仕上がり径、単位、公差、測定箇所と方法を記録。線番だけでは条件を定義できません。
交点・端部・亜鉛被覆を確認
工程順序、測定方法、溶接受入、試料位置、報告形式を指定。工程申告と試験結果を代表的な交点・端部で確認します。
取付寸法と荷姿を照合
図面、支持材、固定方法に合わせ寸法と平坦度を確認。巻・束番号と梱包明細を注文・検査記録にひも付け、写真を残して排水と通気を確保します。
用途と選定上の制約
フェンス、動物用囲い、間仕切り、スクリーン、機器カバーでは、目開き、線径、支持、環境、完成品全体で適否を判断します。汎用金網は構造用補強材、適合性を確認した安全柵、承認済み左官用ラスと自動的に同等にはなりません。
- フェンス・境界囲い
- 動物・園芸用の囲い
- 間仕切り・網パネル
- 機器保護カバーの製作
素線と亜鉛、使用環境を分けて検討
光沢だけでは亜鉛付着量を判断できない
溶接した鋼線格子に亜鉛の防食機能を加えた製品です。成形性や強度に必要なら素線の鋼種を指定し、被覆方法と受入条件は別に定めます。光沢やくすみだけで付着量・性能は証明できません。
素線鋼種と被覆の合否は注文仕様と合意資料に照らして確認します。
見積前に伝える使用条件
- 屋外・厳しい暴露環境:雨、常時湿潤、沿岸塩分、工程薬品を明記。環境に合わせ被覆と保守を検討し、一律の使用年数を想定しません。
- めっき後の加工:切断・溶接は保護面に影響します。加工担当者と工程順序、必要な補修を事前に合意します。
- 乾燥・排水・通風:新しい亜鉛面の間に湿気が滞留すると白灰色の保管斑が生じる場合があります。水を保持する梱包を避け、排水と通気を保ちます。
見積の6項目をそろえて比較
A/Bは仕様差を説明する例で、実際の見積や仕入先の順位ではありません。検査と適用規格は購入契約で定めます。
| 比較項目 | 見積A | 見積B | 比較前の確認 |
|---|---|---|---|
| 空間目と芯々目 | 芯々目25.4 mm、仕上がり径2.0 mm | 空間目25.4 mm、仕上がり径2.0 mm | 実際の空間目は23.4 mmと25.4 mmで、寸法的に同等ではありません。 |
| 線径の基準 | 測定状態の記載なし | 被覆後の径と明記 | 素線・仕上がり、単位、公差を統一。同じ数値でも同じ線とは限りません。 |
| 溶接順序と被覆方法 | 亜鉛めっきとのみ記載 | 溶融工程のGAWと明記 | GBW/GAWと溶融/電気を別々に確認します。 |
| 亜鉛被覆の受入 | 合否条件の記載なし | 要求と試験方法を書面化 | 等級または付着量、抜取、適用規格、証明資料を統一。外観や工程名で不足する限界値は補えません。 |
| 外形・数量・端部 | 巻寸法と巻数 | シート寸法、枚数、端部指定 | 面積換算後も形状と荷扱いを比較。同じ面積でも両者はそのまま置換できません。 |
| 単価単位と含有費用 | 輸送範囲不明の巻単価 | 梱包・輸送を明記したm²単価 | 同一仕様で数量、通貨、費用範囲をそろえ、除外費用も確認します。 |
製造・寸法・保管の参照資料
- “Plain strands of wire are passed through a bath of zinc, before the wires are spot welded together to form a mesh.”Brown-Campbell — Galvanized Welded Wireめっき工程の前後関係を説明する資料で、個別注文の品質認証ではありません。
- “Wire Spacing = Wire Diameter + Opening Size”Brown-Campbell — Spacing/Opening/Diameter幾何計算の根拠であり、在庫寸法や納入品の実測を示すものではありません。
- “Wet storage stain is a white or gray powdery deposit that can develop on newly galvanized articles.”American Galvanizers Association — Wet Storage Stain新しい亜鉛面の湿気滞留と通気不足に関する保管指針です。


